愛知県岡崎市
天井の梁を生かした和モダンな空間
古さと新しさが融合した快適な住まい
敷地内の母屋のリフォームを計画されたM様。築140年の風情ある伝統的古民家ですが、雨漏りや水廻りの不具合で生活できず、息子様と2人で離れに暮らしていました。法事など親戚が集まる機会も多く、それぞれこの歴史を刻んだ住まいに思い入れがあります。伝統技法が残る建具はなるべく残しながら古くなった箇所を新しくし、さらに耐震補強工事を含めたリフォームを行いました。
和室
昔ながらの田の字型の和室の続き間は二人暮らしには合わないため、北側の広縁などを解体し、減築を行いました。法事で親戚が集まる仏間や続きの和室、広縁は、これまでと同じように作り直しました。
LDK
和室の2部屋をLDKにしました。天井板をはずし、吹き抜けに太い梁が走る純和風の空間に、広々としたフローリングのLDKが登場。最新の対面式キッチンを中心にリビングダイニングが広がります。毎日のお料理も、お客様のおもてなしも楽しくできそうです。以前天井裏部屋にあった窓を、LDKの換気用に利用することができました。
玄関ホール
140年も前に建てられたとあって、木板や千本格子などの建具一つひとつに、独自の風合いと見事な職人技が感じられました。千本格子をはじめ、どれも今においてはなかなか製作できないもののため、洗浄、塗装し玄関ホールで活用。風情ある雰囲気で訪れた方をもてなします。玄関土間は高齢生活を考慮して高低差をなくし、歩きやすいようにしました。
水廻り
浴室は断熱性の良いユニットバスに、そのほか洗面なども水廻りはすべて最新のものに取り換え、心地よく快適に使えるようになりました。外壁は耐久性の高いガルバリューム鋼板に、窓はすべて断熱ペアガラスに交換。寒い時期も安心です。
耐震性
築140年の住まいというこで、一般的な木造住宅の耐震診断は適用できず、構造設計事務所による「伝統工法における耐震診断」を実施。耐震強度1.0にするための耐震補強工事を行いました。さらに、家の傾きも調整しました。基礎も一部増設したことで、これからも安心、安全に暮らしていただくことができます。